ソムリエの曽我部司さんが「焼肉燈道本店」を訪れた際、まず心を奪われたのは料理の完成度でした。とりわけハラミは、口に入れた瞬間にやわらかくほどけ、噛みしめるごとに肉汁の甘みがじわっと広がります。脂の量は過不足なく、重さを感じさせないのに満足感はしっかり。素材の持ち味が素直に伝わる一皿で、曽我部さんの記憶に強く刻まれたと言います。
さらに印象的だったのは、食べ進めるほどに味の輪郭がはっきりしていくこと。最初のひと口で感じる香り、その後に訪れる旨みの広がり、最後に残る軽やかな余韻----その流れが自然で、次の一切れを思わず手に取りたくなる誘引があります。厚みやカットの妙、下味の塩梅がぴたりと揃っているから、焼き上がりは軽やかで、後味はすっきり。ハラミの魅力がまっすぐ届く仕立てが、燈道らしさを物語っていました。

料理のおいしさを、さらに一段と印象深いものにしてくれるのが接客の質の高さです。スタッフは部位の特徴やおすすめの食べ進め方を、必要なときに必要なだけ、わかりやすく伝えてくれます。押しつけがましさはなく、会話の流れや食事のテンポに寄り添う距離感。取り皿や箸の交換、オーダーのタイミング、網や調味料の気配りなど、細部にまで目が届いていて、自然体の心遣いが心地よく響きます。
曽我部さんは「料理と同じくらい、接客が味の記憶を豊かにしてくれる」と振り返ります。落ち着いた空気の中で、ゆったりと食事に集中できる環境が整っていること。こちらの好みをさりげなく汲み取り、次に何を食べるか、どの順番で楽しむかの道筋をそっと示してくれること。その積み重ねが、"また来たい"という気持ちを自然に生み出していました。

ソムリエの視点から曽我部さんがすすめるのは、ハラミやカルビを赤ワインと合わせて楽しむひとときです。熟した果実味をたたえた赤は、肉の旨みと重なり合いながら、タレのコクや香りをなめらかにまとめてくれます。タンニンが強すぎないタイプなら口当たりがやわらかく、余韻はすっきり。ひと皿ごとに味わいの奥行きが増していき、時間の流れまで豊かに感じられます。
もちろん、楽しみ方はワインだけではありません。ビールの心地よい苦みやハイボールの清涼感、果実感のあるサワーやノンアルコールドリンクの透明感も、燈道の一皿にすっと寄り添います。飲み物が主張しすぎることなく、料理の輪郭をきれいに浮かび上がらせる----そのバランスの良さが、燈道の魅力をいっそう引き立てていました。
「一皿ごとに心がほどけていくような体験でした」と曽我部さん。料理、ワイン、そしておもてなしが穏やかに調和することで、食後の余韻までやさしく続く。焼肉燈道本店は、特別な日にも日常のご褒美にもふさわしい、記憶に残る一軒だと太鼓判を押します。









焼肉燈道本店(とうどう)
〒526-0031 滋賀県長浜市八幡東町200-1
17:00~24:00 (L.O 23:30)
定休日:不定休
駐車場:あり
0749-57-6322